並木道を散歩しながら

普段通らない道、植えられたばかりの、若い並木が目に入る。
その先に成長した並木。足元固められ、街に縛り付けられた姿。
若い並木にも、いずれ固定がはめられるのかしら。

窮屈が嫌い
会員Wさんとの施術でのこと。
「もうね、先生。うちの父、窮屈が嫌だって言ってパンツのゴム紐にハサミで切り目を入れるのよ。ゴムが五ミリくらいしかつながってなくて今にも切れそうで。もう、ほんとに困っちゃって。」
もう90才を越えたお父様のこと。日頃からお父様とのケンカ話やお食事の話まで色々と。
「そう言えばうちの祖母の晩年もそうでしたよ。亡くなったおじいちゃんの服がゆるくて楽だって、後ろから見たらずっちゃってるんですけどね(笑)」
「やっぱり先生のところも?」
閉じ込めていた気持ちを話すほどに、緩んでいくおなか。
この日の施術は、おじいちゃんおばあちゃん話に花が咲いた。
「先生、嬉しい私。話せて嬉しい。」
話すことは離すことだろうか。
突き放すではなく、話してまた包み込めればいいな。
「もう私、怒らないようにする。ね、先生。カリカリしたらまたおなかにガス溜まっちゃうし、父のことちゃんと見るようにするね。」
「ふふ、またお話しましょうね。」
「いやだ、もう先生ったら。」
そうして良いおなかでお帰りになられた。

窮屈はなるべく外したい。
でも自分で外せないことも多い。
だから皆さんの窮屈は、なるべく外していきますね。
井上紙鳶
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