わごいちの床
ビルの6階、玄関を入ってから施術空間にまでつながるわごいちの通路には、物珍しい床が広がります。

この床、何でできていると思いますか?
先日の受付カウンターのブログを読んで下さった方はピンと来られたかも知れません。表面の塗装はカウンターと同じものです。塗装の下の素材まで分かられたなら、もうそれはかなりのわごいち通(笑)。
そのある素材の上に、新年明けた1月8日、受付カウンターと一緒に柿渋を重ね塗りました。
使うのは無臭加工された特別な柿渋。普通の柿渋をそのまま使うと・・・・
皆さんの鼻がひん曲がってしまうことでしょうから。。。。

2,3年に1回くらいの頻度で、床に柿渋を縫っています。沢山の人が歩く床ですから、少しずつ柿渋が剥げていくのです。
上の写真を見てもらえば、色の薄いところがあるのがお分かりかと思います。細い線状のツギハギのところと、受付カウンターが置かれていたところ。
柿渋だけでは持たなかったところは、その素材をツギハギして補修し、その上にまた柿渋を塗り重ねています。
では、その柿渋の下の素材とは・・・・一体何なのでしょうか?
正解は和紙です。
この床、実は全部和紙を貼りつめた床なんです。

和紙の床
「え?床に和紙?」
私もはじめは本当にびっくりしてしまいました。和紙を貼った床なんて、わごいちの他ではそう滅多に見ることないのではないでしょうか。
「その上を人が歩くんでしょ?すり減ったり破れたりしないの?」
はじめに和紙屋さんに和紙を床に貼ることを教えてもらったとき、当然そう思いました。でも和紙屋さん曰く、大量生産される機械漉きの和紙ではなく、天然の楮(こうぞ)を丁寧に手漉きした和紙ならば強度があるから大丈夫とのお話でした。
この本物の手漉き和紙を2重に重ねて貼り、その上に柿渋を塗り重ねて表面を保護すれば大丈夫。そんな話を聞いてわごいちで挑戦してみたのです。
それから7年半たった今も全然破れたりしません。

毎日毎日たくさんの人の足裏を癒してきたわごいちの床です。色ムラさえも風合いになって、わごいちの時を刻んでいくように感じます。
和紙は木とも、もちろんビニールクロスとも全然違って、独特の柔らかさがあるんです。足裏にフィットするような、それでいてサラサラでべとつかず、夏は涼しく冬は冷えず。
足元が冷える冬に裸足で歩いても、和紙の床はふんわり優しくて温かさを感じます。
畳ともまた全然違います。たまにこっそり、疲れた時とかのび~~~っとしたいときに和紙の床でゴロンと寝転んだりするんですが、本当に気持ちよくって体がほぐれていく様です。
更衣室の床も
柿渋塗り助っ人の院長先生のお嬢さん。7年半前もお手伝いしてくれました。
今回はちょっとこんな遊び心で、ますます楽しい和紙の床になりました。

パンダ!!!!!

プ、プラナリア?!?!

もういっちょ!でカエル(笑)
わごいちには更衣室が3つあります。その3つの床に柿渋で書いた絵が入りました。乾いてもさりげなく透けて見えるイラストです。皆さんにも是非楽しい気持ちになってほしいです。
和紙の空間
和紙って息をするんです。穴がいっぱい開いていて風通しが良く、湿気が多い時はちょびっと膨らんで空気中を軽くしてくれます。息する和紙に囲まれたわごいちの中は、本当に息がしやすいです。
深い深い呼吸が出来るわごいちの床をどうぞ感じてみて下さい。

井上紙鳶
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