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すっごいあんこ

今日のブログについて

紙鳶です。今日は私のあんこ愛について、ただひたすらあんこ愛について書きます。

 

あきれずお付き合いくださると嬉しいです。

 

なぜそんなことになったかというと、「すっごいあんこ」をわごいち会員Sさんにいただいてしまったからなのです。でもそのあんこを語る前に、私のこれまでのあんことの関わりをお伝えしなくてはなりません。(全く必要ないのかなとも思うのですが語らせてください。)

 

これまでのあんこ史

私は幼少のころから「味覚がお婆ちゃん」でした。あくまで味覚が、ですので。

 

エビフライもハンバーグも、子供が好きなものだって大好きだったんですが、若ゴボウを炊いたのや菊菜のおひたし、牡蠣とお豆腐だけの水炊き(つまり湯豆腐?)が大好きな子供でした。

 

何より苦労したのが、ケーキが食べれなかったことです。お友達の家に行ってもすごく困ったし、幼稚園で月ごとにあったお誕生日会で出るケーキも、必死で食べたのを覚えています(残すことは許されない時代でした)。

 

だけどあんこが大好きでした。よく覚えているのは幼稚園の時、たまに母がおやつに買ってくれる回転焼屋さんがありました。私は必ずあんこを注文して、それを半分に割ってあんこをほとんどお母さんにあげて、あんこがちょっとだけついた生地を食べるのが大好きだったんです。

 

え……それあんこ好きですか?そんな疑問が飛び交いそうですが、実は今でもあんこ少しと生地、の組み合わせが大好きです。だけど普通にあんこたっぷりの和菓子も大好きなのです。

 

特に昔から大好きなのが薯蕷饅頭、いわゆる紅白饅頭です。そして今は、練り切り、麩餅が大好きです。お大福も無性に食べたくなる時があります。

 

大好きな薯蕷饅頭は末富さんのさくら。あんこが少なめで生地が最高においしいんです。

 

 

末富さんのさくら
末富さんのさくら

 

 

洋菓子もとっても綺麗で可愛いですが、私は和菓子のこの可愛らしさに昔からうっとりでした。今でもほおずりしたいくらいです。何を隠そう、一時は和菓子職人を夢見たこともありました。

 

現実的なところでは、和菓子教室にも通っていたことがあるんです。・・・・・お料理は全然できないくせにいきなり和菓子教室。

 

すごい楽しかったのだけど、和菓子は作るより買った方が断然可愛くて美味しいことを身に染みて知り、それからはもう、美味しいあんこ、というより、私好みのあんこを求めて、どこへでも買いに行きました。

 

本当に道楽娘、20代のころの話です。

 

 

わごいちに来る前の喫茶店をしていた頃は、和菓子屋さんにあんこを求めながらも、あんこを自分で炊いていました。お店で出していたものですから。

 

自分で作ってみて初めて砂糖のあまりの多さに気づいて、いやそんな甘くなくていいねん、実は私・・・ということで、どこまで砂糖を控えてもお客様が美味しいと言ってくれるか勝負が始まりました。というより、超甘いもの好きの母の許可を得れるかどうかの勝負でした。

 

意外にも母もお客様もどんどん慣れていってくれました。ケーキも作っていたのですが、それもどれだけレシピより砂糖を減らせるか勝負を挑んでいたのですが、甘さというのは減るほどに甘みが際立つようで、「これで十分な甘さね。」なんて、皆言ってくれていました。

 

そのときに「作ったあんこにお塩を振って食べる」のが私の密かな楽しみで、さすがに母には白い目で見られたものです。

 

あんこの趣向

長々とすみません。私のあんこ史にお付き合いいただいてありがとうございます。

 

書いていて思ったのですが、私のあんこの趣向はものすごい好みが偏ってるのかもしれないです。

 

どんなあんこも好きなのだけど、本当に好みなのは小豆の香りの塩梅なのかも、とふと思いました。小豆の香りと一言で言っても色々です。そして香りが強ければいいというものでもなさそうです。

 

そのお菓子に合った香りかどうか、その生地に似合った香りかどうか、もっと言えば甘さと香りが合っているか、滑らかさとかホクホク感とか、それに香りが合っているか、私好みの、人からしたらどうでも良い塩梅があるようです。

 

だから多分、お塩なんだと思います。お塩ってすっごい匂いと甘みと油分を引き立てるように私は感じているのですが、その匂いは臭さでもあります。

 

実は結構臭いな、と思うあんこがあるんです。偉そうですが、ただの個人的なあんこの趣向です。

 

そういう時は、甘さが足りないと感じることもあったりします。甘すぎるのは苦手なくせに、どうしてでしょうね。

 

すっごいあんこ

ようやく本題です。Sさん特製の「すっごいあんこ」について。

 

驚きました。その一言に尽きます。

 

一口頂いて本気で絶叫しました。求めていたものはこれだと。

 

 

 

史上最高の「すっごいあんこ」
史上最高の「すっごいあんこ」

 

 

 

甘さ控えめとか小豆の素材を引き出してとか、そんな次元の話じゃないです。

 

甘味にはほんの少量みりんを入れて炊くそうです。そして練り上げてから塩麹を混ぜて仕上げるのだそうです。

 

もちろんとても質の良い飛騨高山産の小豆を使っておられるそうです。みりんも良いもの(愛知の方だから三河みりんでしょうか)、塩麹も手作りです。だけど素材の良さが引き立って美味しい、だけじゃない。

 

甘いのに甘くないのか、甘くないのに甘みがあるのか、その甘さを絶妙に際立たせる塩麹特有の塩気が、さらに甘くてしょっぱくてたまらないとか。一つ一つの素材が際立っていて、それでいて素晴らしいマリアージュだとか。

 

もうそんな感想がちっぽけに思えます。そうしたことが一番の衝撃ではなかったように思うのです。

 

何が違うのか、何がそんなに衝撃だったのか、ずっと考え続けました。

 

 

やっぱり匂いなんです。匂いが小豆そのままじゃないんです。本当に表現が難しいのですが、鼻に香りが通るとき、たぶん一番味覚も感じる時だと思うんですが、その時の匂いと味覚の合わさる一瞬が、木の蒸し器で蒸したような、ふわふわに甘香ばしいそれの匂い。

 

そう、「すっごいあんこ」。

      

すっごいあんこ

小豆の臭さと塩麹の臭さと火の入りが、絶妙の案配のレシピなんではないかと想像しています。きっと手作りの塩麹もものすごく大事に作られたものなんだろうなと想像しています。

 

そしてなによりSさんの、幸せそうな顔が浮かぶあんこ。多分Sさんは、作るのも大好きだし何より食べさせてあげること、食べてもらうことを心から喜んでおられると思うのです。

 

微かに、ほんの微かに甘い発酵臭があって、口に入れた瞬間は甘いのに即座に塩の甘さが襲ってくるような、あの香ばしさは何でしょうか。最後はしょっぱさが口に残ります。

 

似ているものは………麦味噌と米味噌を混ぜてほんの少し焼いて、焦げ目をさらに混ぜこんだもの……伝わるでしょうか、食べたことないけれど(笑)。

 

これまでのあんことは全く別物なんですが、あんこ以外の何物でもなくて、これをあんこと呼ばせてくださって有り難うございます、という気分です。史上最高のあんこでした。

 

甘さに苦みとか、甘さにしょっぱさとか、甘さに香ばしさとか、そういう組み合わせが私は好きなんだと思ってきました。それは確かだと思います。だけど、なぜそれが好きかと言った時に、その絶妙のバランスが匂いとして味覚を左右してたんだという自分を知りました。

 

 

いや、これは単なるただのフェチ性の問題ではないと思います。やっぱりすべての絶妙なバランスが織り成す結果なんだと思います。

 

心も身体も満たすあんこ。

 

こんなあんこが生きてるうちに食べれて私は本当に幸せです。有り難うございました。

 

 

 

 

井上紙鳶