常用してきた胃薬
わごいちに初めていらした時、Wさんは人生で一番胃の調子が辛かったとおっしゃいます。
長らく胃腸科にかかり、胃薬を何年も常用しておられる状態でした。ふとその頃を振り返り、
「相当な量の胃薬を飲んできましたよ、私。」そうおっしゃいます。
もともと油ものは得意ではない、暴食をするわけじゃないけれど、気付いたら胃が辛くなっていて、飲みたくない薬を服用する以外は方法がないと、だましだましやってきた‥そんな時のわごいちとの出会いでした。
胃薬を服用すると楽になるという訳でもなかったのですが、「食べたい!」と思って食事をすることも無い。それでも食べないといけない…食べるために薬を飲んでいるような様子であったそうです。
「こんな性格ですからお医者さんに言われた通り、きっちり言われた時間に言われた量を飲んできましたからね。」と、当時のご自分のことを振り返られます。
薬の服用を止めてみる
豊穣コースでの通院をはじめ、半年が過ぎ、施術の効果も出てきたタイミングで「飲んでも症状が楽になる訳ではないのならお薬を止めてみられてはいかがでしょう?」と、私から提案をしてみました。
薬を服用することは、胃にダメージとなることもあります。せめて、薬によって胃が受けている炎症のダメージを減らすことができたら少しは楽になるのではないか、と考えてのことでした。
しかし、薬を飲んでいるからまだ食事ができると思っている人にとって、薬を止めるのはとっても勇気がいることです。
ですから、わごいちでもおなかの調子とその人ご自身の様子を常に伺いながら慎重に提案をします。
この提案にWさんは「解りました。」と、そう言って薬の服用を止めることを決められました。
次にいらした時、Wさんに調子をお伺いすると「薬を飲まなくってもやっていけているんです。」と、驚いた表情でそうおっしゃいました。
まだビタミン剤は服用を続けていましたが、このまま様子を見ていき薬を飲まなくても大丈夫と自信がついてきたら、ビタミン剤もやめて行きましょうと話をしました。
豊穣から山水へ
Wさんは胃の症状がかなり良くなり、それに伴い体調も良くなってきました。しかし、胃の不調と並行するように長らく悩んでこられた「痩せていると人に言われるのがイヤ。」という事が付きまといます。
痩せ体質の人にとって「太ること」はなかなか難しいことです。また胃が良くなってくると、胃の陰に隠れていた他の内臓の不調が出てくることもまたWさんの気持ちの不安を募っていったことと思います。
Wさんは、もう一歩進んだ体質改善を目指して院長先生の山水へと通院コースを希望されました。そして、今も改善に向けて頑張っていらっしゃいます。
出会った当時、「何食べても同じで美味しいと思わない、食べることが辛い」と言っていらっしゃったWさんは、ある日「もうどうしてもアップルパイが食べたくなってわざわざ買いに行ってしまったんです!」と、おっしゃいました。
(そのアップルパイによって内臓の調子を崩し、院長先生に注意を受け、随分と反省をされる訳ですが・・・)
それでも「何かが食べたいという感覚になることがない」と言っていたWさんが、「食べたい!」という欲が湧くほどに内臓が元気になって来たのかと思うと、その変化はとても大きいものだと感じます。
軸がしっかりした?!
そして昨日の施術での一コマ。
つい最近のお話ですが、家の近所を散歩することを習慣になさっているWさんに、ご近所さんがお声をかけられたそうです。
「いつも歩いて行かれる姿を見ていますが、細い方だけどなんだか軸がしっかりされているなあと思ってました。」
そう言われてとっても嬉しかった、と院長先生にご報告をされたそうです。
院長先生から、そのことを聞いて紙鳶さんも私も、本当に嬉しかったです。
胃薬を常飲していても、調子が良くならず辛い日々に顔を歪めていたWさんですが、今も胃薬もビタミン剤も要りません。
施術中に、話声とともに明るい笑い声が聞こえています。

池田参尽
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