慢性腎臓病(CKD)について

新たな国民病

慢性的に腎機能が低下している病態に対して、これまで「慢性腎不全」という病名が用いられていました。しかし、腎機能障害をより理解しやすく、より早期に発見するために、2002年に米国腎臓財団から「慢性腎臓病」(Chronic Kidney Disease: CKD)という概念が提唱されました。これは腎臓の働きが少しずつ低下していくことで生まれる様々な腎臓病の総称を指すものです。

 

以前は、蛋白尿や血尿を伴う慢性糸球体腎炎(免疫の異常などが原因で起こる慢性的な腎臓の炎症)が主な慢性腎臓病の原因の病気といわれていましたが、近年は糖尿病、高血圧、脂質異常症などの生活習慣病が多く指摘されているようです。

 

慢性腎臓病という新しい概念が生まれたのは、それだけ腎機能の低下がみられる人が多くなったということです。実際に日本の慢性腎臓病罹患率は成人全体で8人に1人、新たな国民病ともいわれています。

 

腎臓の働き

腎臓の主な働きは老廃物の体外への排出になります。血液をろ過して老廃物や塩分を尿として体の外へ捨て、身体に必要なものは再吸収します。


他にも腎臓は私たちが生命を維持していく上で重要な働きを担っています。以下に挙げてみましょう。


・尿を作り老廃物を体外に排出する

・血液をつくる働きを助ける

・血圧を調整する

・体液量とイオンバランスの調節を行う

・ビタミンDを活性化し強い骨をつくる


腎機能が低下するとこうした腎臓の働きが弱まり、むくみや倦怠感(常にだるい、疲れやすいなど)、貧血や息切れ、さらに夜間の頻尿などといった症状が現われます。しかし、これらの症状が自覚されるときにはすでに慢性腎臓病がかなり進行している場合が多く、早期発見が難しいようです。


腎機能の低下そして喪失

慢性腎臓病の原因の代表的なものに、生活習慣病(糖尿病、高血圧など)や慢性腎炎があります。

 

慢性腎炎の診断は専門医により総合的に判断されるもので、このうち予後不良群では5年以内に、また予後比較的不良群では10年から15年で、透析を必要とするような高度の腎不全になる危険性があるとされています。

 

腎機能は一度失われると回復することがない場合が多いとされるのはこのためです。つまり腎機能の低下は、腎機能の喪失になりかねません。「慢性的に失われた腎機能は元に戻らない」のが現代医学の常識です。

 

そのため現代医学における腎臓病治療の目的は「進行を食い止め遅らせる」「症状の改善」を目指すものであり、腎臓を治すものではないと言えます。

           

現代医学の盲点

現代医学では慢性腎臓病の原因となる慢性腎炎の原因について、未だ特定はできないものの、他の病気の影響によるものと考えられています。なぜ他の病気が慢性腎炎の原因になりうるのか、その原因が特定できないことが腎臓病を不治の病にしてしまっていることに注目するべきでしょう。この現代医学のスタンスについて私たちの見解を、以下解説します。

 

腎臓の炎症つまり腎炎において、現代医学の盲点は二つあると私たちは考えています。一つは検査精度の問題、もう一つは原因特定方法の問題です。

 

まず検査精度の問題から見ていきましょう。

 

わごいちの施術現場では、健康診断で腎機能に異常なしと言われた人でも、腎臓に軽く触れるだけで強い痛みを訴える人が本当に多くいます。痛みは傷みのサインであると考えるならば、私たちが思うよりも多くの人の腎臓が傷んでいるという事実があり、そしてそれは健康診断では発見されないという現実がありそうです。つまりこれは慢性腎炎、ひいては慢性腎臓病の予兆を把握できないということを意味しています。これが検査精度の問題です。

 

もう一点の原因特定方法の問題について。

 

この問題は視点の持ち方にあります。現代医学は慢性腎炎の原因を他の病気としますが、私たちは必ずしも他に病気がなくとも慢性腎炎を引き起こすことが多々あるとみています。それは「他の臓器との関係性」という視点で見ることで違う現実が見えてきます。

 

私たちの内臓は実は相互に影響を及ぼしあっています。具体的には左の腎臓は胃の影響を受けやすく、右の腎臓は肝臓の影響を受けやすいですし、他にも様々な臓器間の影響、相互作用というものが常に私たちの腹部で起こっています。ここで現代医学が見落としているのは、「健康な臓器が他の臓器に何らかの影響を与えることがある」という事実です。例えば胃下垂で下がった胃が腎臓を圧迫しているだけでも腎臓に負担がかかり、炎症を起こすという事実があるのです。

 

つまり私たちが言いたいのは、腎臓の炎症は他の病気が引き起こすのではなく、他の臓器との関係性が引き起こすことがある、ということ。そして実際にそうした事例は一般的に起こっているということです。ですから腎炎は誰にでも、健康な人にも起こる現象であるということです。この視点を持つことで、慢性腎炎の治療方法もまた変わってくるはずです。

 

腎機能の回復

以上をまとめると、腎臓病の回復、あるいは慢性腎臓病の予防という観点において考えれば、何らかの病気を発症する前から内臓全体の環境および機能を常にウオッチしていくことがとても大切になります。

 

「失われた腎機能は元に戻らない」と言われていますが、私たちはそうは捉えてはいません。実際に私たちの元では、腎臓の数値が異常値が改善していくことはよくあります。それは腎臓だけでなく、内臓全体の機能を同時に高めていくからです。ただし例外として、腎臓透析を始めている人の場合の回復は難しいというのも、残念なから事実です。(当院は現在この点についての研究を進めています。)

 

慢性腎炎という診断が下ったからと言って、悲観はしないでください。適切な対処を行えば、機能回復の可能性は十分にあります。また腎機能の数値が正常であっても、背中や腰の張りや痛みを感じる人も、それは腎臓機能の低下を意味する自覚症状であることがありますので、注意は必要です。


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