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ライティングは自分磨き

私が皆さんに提供している三宅式ライティングメソッドには大きく二つの目的があります。それは「自分の個性を活かした文書力の強化」と「書きながら自己啓発を進める」ということです。それぞれ簡単に説明します。

 

まず「自分の個性を活かした文章力の強化」について。

講師によっていろいろな考え方があると思いますが、私講座ではまずSNSやブログ、メルマガなどからスタートします。このような誰でも始められるライトなライティングでは、形式ばった間違いのない文章よりも、書き手の人間性がにじみ出る文章の方がより読者に好まれます。

ですから、まず自分なりに書いてみる、自分の思うように自分のスタイルで自由に書いてみることが大切です。はじめに「このように書きなさい」というフォーマットやマニュアルに縛られてしまうと、読み味が硬くなるだけでなく書き手の人間的魅力がなくなってしまうので注意が必要です。文章が苦手な人ほどまずは自由に書くことが大切なのです。

あとは自由に書かれた文章を料理していきます。読みにくいところやわかりにくいところを明確にし、「こうすれば良くなる」とアドバイスをして加筆修正してもらいます。

また多くの場合、皆さん自分の個性を出すことをためらいがちなので、それを引き出すように指導していきます。つまり個性の出し方、出すことによって文章がどのように魅力的になるか感じてもらいます。こうして個性を引き立たせながらも整ったライティングを習得してもらいます。

 

次に「書きながら自己啓発をすすめる」ということについて。

これは私の整体師、カウンセラーの経験が大きいと思いますが、文章を書きながら書き手が人間的に成長してもらえるよう後押しをします。書店に行けば沢山の自己啓発本がありますが、本を読むだけで自己啓発ができたという人はそれほど多くないのではないでしょうか。なぜなら自己啓発は知識を得るというインプットだけでは決して成し得ないものだからです。(私は成し得た、という人はそう思い込んでいるだけかもしれません)

自己啓発とは自分を変えること、自分という人間を変えていくことです。しかしこの自分というものはなかなかに頑固なものです。頑張って服装や言葉遣いを変えても性格や性分、考え方というものを根底から変えるのは至難の業です。私は「自分を変えたい」という人と向き合ってきましたので、その難しさはよくよく分かっているつもりです。

この頑固な自分をどう変えるか、どう良く啓発するか、その有効な手段の一つがこのライティングだと考えられます。なぜなら自分を変えるためには、まず自己把握つまり「自分を知る」ことから始めなくてはなりませんが、これがなかなか難しいものです。端的に言えば、人間は自分の弱いところ嫌なところは本能的に目を伏せ「なかったこと」にしてしまう傾向があるのです。

しかしライティングは自己表現ですから、前述した「自分の個性を活かして書く」ことで自分の強みも弱さも、美しさも醜さも隠し切れないのです。だからこそ「自分を知る」ことができるのです。それが「自分をどう変えていけばいいか」を明確にしてくれるのです。このように人間の本質的なところにアプローチできる可能性がライティングには秘められています。

 

私の三宅式ライティングは、この二つの目的に向かって進めます。そこに必要なのは指導者としての三宅の力量と、「本気で自分に向き合おう。そして自分を変えよう」という生徒の強い気持ちです。それがあれば単なる「ライティングスキル」以上の宝を得られるはずです。もちろんそれは他の人には書けないひときわ輝く文章を書くことにつながることでしょう。

 

三宅弘晃