丹足法とは

わごいちで提供する独自技術「丹足法」について解説します。専門的なページになりますがご興味のある方へ。(登場人物敬称略)

丹足法の発生

元々は家庭の整体法

丹足のように足で相手を踏み解す技術は元来特別なものではなく、昔から家庭で活用されてきたものである。例えば農作業で背中が凝った老人を孫が乗って解すような光景は普通に見られたはずだ。しかしそれが徐々に一部の人たちにより専門化され、足力や足圧などと呼ばれるよな技術になって今日に伝わる。逆に言えば足踏み解しほど手軽に親しみやすいものは少ないであろうから、足踏み解し法をもっと各家庭で活用できるようにしたいものである。

圧で解すことへの疑問

わごいちで生まれた丹足法も、元は足圧法という原型があり、柔道整復師桜井寛より当院院長三宅へと伝授されたものである。しかし三宅は長年この足圧法を使い続ける中で、徐々に足圧法に対する疑問が膨らんでいったのだ。それは「足の圧」という解し方、そしてその背景にある圧で解すという概念に対する疑問であった。

一般的に解しは圧をかけて行うものという認識が広まっている。例えば指圧というものがあるが、これは名前の通り指で圧をかけて相手を解すから指圧である。また指圧に限らず世のほとんど解しは圧をかけるものという風潮があって、圧をかければかけるほど良くほぐれると思い込んでいる人がほとんどである。

しかし三宅が考案した丹足法は圧をかけることを忌避し最低限にまで抑えようとする解し法である。足で圧をかける足圧から圧を排除しようと反る丹足への変化は、まさに真逆の道を辿ることになる。

丹足法が生まれたいきさつ

三宅は長年にわたる足圧施術の中で、姿勢補助器具である足圧バーの存在を疎ましく感じるようになっていった。本来ならば施術者の姿勢保持に貢献し、施術効果を高める補助器具であるはずの足圧バーではあるが、これが逆に施術運動を制約することに気が付いたのだ。三宅はその弊害を確信するにつれ、徐々に足圧バーに体重をかけないで足圧をするようになっていった。そうすると、足圧バーに預ける体重が減れば減るほど施術時の体の緊張が減少し、動きが軽快になり、より柔軟な動きで施術を行えるようになることを発見したのである。

これは足圧バーが施術者の運動を制限するだけでなく筋緊張をも生んでいるのであるが、この事実に気が付いた三宅は、脱力の作り方、施術姿勢、中心軸運動などを独自の理論で研究するようになり、最終的には足圧バーを使うことなく、自身のハラ(丹田)を中心として重心をコントロールする施術法に辿り着いたのである。三宅はそれを「丹田で踏む解し」という意味を込めて丹足法と名付けた。

丹足型の完成

三宅はこの丹足法の体術をまず自分自身でもって研究し習得したのち、わごいち施術スタッフである弟子たちに伝授するようになった。しかし丹足法独特の体術を習得させるためには、密なる技術指導の労力と年単位の時間が必要であった。戦前の日本人のようなハラを中心とした運動文化をもたない現代人に、丹足法独特の体術を理解させることが非常に困難であることを見て取った三宅は、理論的に理解しやすいよう「丹足型」を完成させた。丹足法が生まれて数年の月日が流れた2017年のことであった。

丹足法の適応と効果

わごいちでの丹足法の活用

丹足法はその前身である足圧法の時代から、ハラ揉み術と並んでわごいちの2大施術法の一つである。わごいちにおいては手技にてハラを中心に全身を揉み整えていくが、短時間で大きな筋肉の集合部位、例えば大腿部や臀部などを解す際には丹足法の方がより効率的である。また背中など広い面をほぐす際にも足裏全体を使う丹足法がその真価を発揮する。よってわごいちの施術では、ハラ揉み術にて主に腹部、腋窩部、頸部など繊細かつ精密な施術が必要な部位をほぐし、その他の大部分の部位は丹足法を活用することが多い。また酷く傷んでいる部位などについては、丹足法ではなく手技を活用することが必要となる。このようにハラ揉み術と丹足法は表裏一体の技術として活用され、限られた時間で深部まで解しきるわごいちの施術を実現させている。

特に効果が期待できる症状

丹足法が特に効果を発揮するのは、筋肉の疲労の軽減、全身の骨格バランスの矯正、全身の血流の改善などである。丹足法の足裏は点ではなく面でとらえて解す。また押圧ではなく揺れの運動エネルギーを伝えることで接着部から全身に作用し、非常に効率よく体全体をほぐすことができる。さらには筋肉の拘縮が引き起こしている骨格のずれも健全な状態に戻していくことができるなど、効果は枚挙にいとまがない技術である。しかしとりわけ丹足法が秀でているのは、深部リンパ節へ働きかけることで血液やリンパ液の循環を向上させることであろう。

丹足法の類まれなる利点

上述のように丹足法の施術効果は他に類を見ないところがあるが、実は丹足法にはもう一つ見逃せない利点がある。それは丹足法を実践する際に恩恵を得るのは、丹足法の受け手だけにとどまらず施術者自身にも及ぶということである。というのは、丹足法の体術は施術者自身の丹田を中心とした脱力運動によるので、丹足運動を正しく反復することで施術者自身の腹部や深部筋の運動が促進され、体幹が強化され姿勢が整い、心身が強靭になるのである。また一般的な施術が手腕の過労で腱鞘炎等の職業病などを発症するリスクを抱えるのに対し、丹足法実践中は手腕を休めることができ、施術者の心身のバランスを保つことに貢献するという得難い利点もある。

丹足法の普及

丹足普及の目的

丹足法は元来わごいち門外不出の秘技であった。しかし上述したような習得のしやすさ、そして効果の大きさを鑑みて、社会全体の健康増進に役立てるべく、2017年に非営利団体として(一社)丹足普及協会・千照館を設立し、丹足法の普及活動を開始した。まだ年月も浅いが、いずれは各家庭で丹足法を活用し、高齢化社会、医療費不足社会を生き抜く一助になればと会員一丸となった活動が始まっている。

丹足への3つの取り組み方

丹足法は今後3つの活用法により社会に広まっていくことになると予想される。一つはわごいちのように、整体院や治療院での活用である。高度な丹足法の教育を受けた治療家により、病気や怪我を抱えた人たちが安全に解され、その治癒の助けとなることができるであろう。二つ目は一般家庭への普及である。治療家のように専門的な知識や訓練がなくとも、仕事や家事、育児でつかれた家族を丹足法を持って癒し、また癒され、家族全体の健康とコミュニケーションを向上させていくことができるのが丹足の魅力である。三つ目は求道としての丹足法である。というのは、丹足法ほどその人の人間性やその時の感情が体術に現れるものは多くないからである。毎月道場に通い、丹足法を修練する中で己と向き合う。己の成長が丹足法技術の成長となって現れるという事実に意欲を感じ、求道として取り組むことができるのも丹足法の魅力である。社会の人々が、自分の求める取り組み方を選び丹足法に親しんでもらえたら幸いである。

新しい概念をつくる

丹足法は今の社会に新しい概念を提示する。それはこれまでの治療においては、治療者と被治療者の間に厳然たる区切りがあるのに対し、丹足法においてはその区切りがほとんどないのである。つまり医療現場において治療者は治療者であり、患者は患者であるが、丹足現場においてはいわば治療者が患者になったり、患者が治療者になったり、自由自在に立ち位置を変えながら共に健康になっていくことができるのである。そのような概念を丹足法をもってこれからの社会に提示していくことは非常に興味深い試みではないだろうか。丹足法が生まれた真の意味はここにあるような気がしてならない。

公的医療制度崩壊に備えて

これからの日本は高齢化社会と医療費不足社会を迎える。政府は明確には国民に伝えていないが、近い将来に今のままの医療制度は大きく様変わりすることが予定されているそうである。それはこれまで当たり前のように使ってきた医療に対する保険が適用されなくなり、高額な費用が掛かる癌治療などに絞った医療費の活用が想定されているという事実である。これが良いか悪いかはさておき、人口比と医療費の高騰を考えれば、どれだけ優秀な行政官を持ってしても、医療制度をこのままの状態で続けていくことができるはずもないのである。

端的に言えば医療費の自己負担が格段に増える未来が来る。その中でどうやって自分や家族の健康を守っていくのか。この重いテーマに対して一つの特別に有効な手段は丹足法の家庭活用であろう。これ以上の家庭健康の自衛術はなかなか見つからない。我々はその目の前の未来を見据えて、丹足法を世に伝えていく覚悟である。

 

丹足法考案者 三宅弘晃