最近、薬不足が起きているようですね。薬の生産量の低下や病気の蔓延などが原因とされますが、しばらく品薄が続くそうです。困ったことです。
ところで私の父親は製薬会社で働いていました。私の子供時代の食費も学費もすべて薬代でまかなわれていた、とも言えます。ですから薬のことを悪く言うのは気が引けます。
しかしそれでも薬を無条件で賛美することもできません。もちろん必要な薬もあります。薬があってくれて助かる命はたくさんあります。でもそれでも必要ない、むしろ害になっているのではないか、という薬も多いと思っています。
例えば胃薬。
しょっちゅう胃がむかむかする。今から食事会だから胃薬のんですっきりして食べに行こう。こういう人も多いと思いますが、こういう人は本当に注意が必要です。
なぜ胃がむかむかするかと言えば、おそらく胃に炎症があるからです(あるいは潰瘍や癌かもしれません)。そこで胃薬を飲む。そうするとスッと楽になりますね。でもこれは胃炎が治ったわけじゃないんです。胃炎や潰瘍はのこったままです。ただ不快感を消しているだけなのです。
もちろん胃薬で不快感を和らげている間に、自然治癒力が胃炎や胃潰瘍を治すこともあるでしょう。それならば胃薬にも意味は見出せます。
しかし慢性的に、毎週のように、あるいは毎日のように胃薬が必要な人は、それは慢性胃炎がきっとあるはずです。慢性胃炎とは自然治癒力が治す力よりも胃炎がひどくなる力が強いということです。
治しても治しても胃炎ができているのです。
胃炎があるのに胃薬でムカムカを消してしまう。そうすると食欲が増してたくさん食べられる。脂っこいものも平気で食べられる。そうするとどうなるか、胃炎がもっと悪化するんです。
わごいちに来る人をみても、普段から胃薬をよく飲んでいる人は、そうでない人より胃があれている傾向が強いです。おそらく不快感や痛みを誤魔化して暴飲暴食をするからです。
良かれと思って胃薬を過剰に使う生活を続けていくことで、胃の中で進行する病気に気がつかないことも多々あります。どうしようもなくて病院に行ったらもう大変な状態になって手術ということもたくさんあるでしょう。
薬は使いようなのです。使い過ぎるのは怖いのです。本当は胃薬を使わず、ムカムカが無くなるまで食事を控えて自然治癒を待つのがよいのです(状態によります)。
胃薬の他にも、実は飲まないほうが良いかも・・・な薬はたくさんあります。
全て説明すると話が終わらなくなりますから、今日は胃薬を例に挙げ、薬についてちょっと考えてみてもらえたらと思います。
三宅弘晃