悩ましいのは院長先生のお料理が、ほぼ再現不可ということです。
なぜなら作られる料理がだんだんと積み重なっていくからです。(しかしだからこそ美味しいのです)
今回はそんな「3段活用」とも言うべき院長レシピの真髄を追跡しようではないか!というチャレンジブログ?です。
それにしても一期一会って本当に一生に一度なんだな〜と思います、院長先生のお料理をいただくと。院長先生の生き方を象徴するようなお料理だと思います。
~1段活用~
まずこちら↑、びんちょう鮪の漬け。
院長先生のお魚愛は大変深く、最近ご自宅近くに魅力的な魚屋さんを見つけ、朝一に買い入れてわごいちのキッチンで仕込んでくださっています。
おかげさまで美味しい魚料理が食べられる弟子生活を送っています。
「これ見て!いいびんちょうやろぅ?」とホクホク顔の院長先生。
【びんちょう鮪の漬け】
<材料>
・びんちょう鮪の冊
・醤油
・酒
・昆布
<作り方>
ビニール袋に醤油と日本酒を入れて混ぜ、びんちょう鮪と昆布を投入し、冷蔵庫で数時間置く、だけ。
簡単シンプルにして間違わない美味しさ!
院長先生をホクホク顔にしたもう一匹、黒メバルさん。
「なんでメバルって煮つけにするのが多いか知ってる?魚屋のお兄ちゃんに聞いてん!煮たら、身離れが良いから人気なんやって!」
院長先生、お魚屋さんとのコミュニケーションをしっかり育んでおられます。
「それやったら、これやろ!!」ということで……↓
【黒メバルのマース煮】
<材料>
・黒メバル(下処理してもらったもの)
・塩
・酒
・水
・びんちょう鮪を包んでいた昆布
<作り方>
鍋の底に昆布を敷き、魚をのせて酒と塩と水をいれ火にかける。沸騰後7,8分くらいで火を止めて、皿に盛る。
「魚屋には煮つけがおすすめって言われたんやけど、味濃すぎるやろ?」
マース煮とは恐れ入りました。
これは是非皆さん試してみてください。本当に美味しいです。これしかない!と頷くばかりの美味しさでした。
メバルの味もしっかり楽しめて身がゴロっととれて、海に魚に感謝したくなるお料理でした。
※“びんちょう鮪を包んでいた昆布”ではなくただの昆布で大丈夫です!(笑)
……と、ここまではよくあるレシピです。が、ここから院長先生ワールドが展開していくのです。
~2段活用~
メバルのマース煮を食べている最中。
「そろそろいい頃合いかなー。ちょっと待ってて」と台所に立ち、持ってこられたのがこれ↑
【マース出汁の豆腐煮】
<材料>
・豆腐
・春菊
・えのき
・びんちょう鮪の漬け汁
・黒メバルのマース煮の出汁
・(味が薄ければ)醤油
<作り方>
黒メバルのマース煮の出汁がのこる鍋に、びんちょう鮪の漬け汁を加え、豆腐とえのきを入れて煮る。だけ。
優しい薄味、だけど旨味しっかり感じる素晴らしい一品でした。えのきがまた出汁を吸って、よい仕事をするのです。
「せっかくのマース煮の出汁と漬けまぐろの醤油がもったいないやん?いい出汁吸ってるのに」
このやられた感が少しでも伝わればいいな〜と願うばかりです。本当に、有り難うの気持ちでいただくお料理。
美味しいって素晴らしい。無駄にしない、全部いただく、残り汁があってこその一皿でした。
【別日】
これはまた別の日の仕事上がりの食卓。
右上)大根の白漬け。大根を酒粕と白味噌、塩糀に漬けたもの
左)玄米とぎ汁の水キムチ
真ん中)ブロッコリーと菊芋の蒸し焼き
ここまでは、わごいちまかないの定番たちで、これまで紹介してきたものです。
今回新たにご紹介するのはこちら↓
~鯛:2段活用~
とっても優しくふっくら甘みある自家製西京焼き。
3日ほど白味噌、酒粕、塩糀に漬けてから焼いてあります。
お気づきになられましたでしょうか?そう、上の写真の大根の白漬けと同じ漬け汁です。大根を食べ終わった残りに鯛をつけてありました。
「美味しい漬け汁に大根のエキスも加わって、鯛に沁み込んでるわけやから、美味しくないわけないやろ?」
美味しいに決まってます。黙々といただいてしまいました(笑)
それから2枚上の写真の鯖の生姜煮↓
「新鮮なサバだったので薄味で煮つけたよ」と院長先生談。
~鯖:1段活用~
最低限の味付けなので、鯖自体の味がよく感じられる美味しさでした。
そして……
同日にその煮汁で作ったお味噌味の豆腐とワカメの煮物↓
~鯖:2段活用~
「とは言えやっぱり鯖やからな、お湯足して、人参とワカメで香りをつけてみた」
出汁が薄まった分、鯖の旨味が隠し味となり、ワカメに良くからんで、それを豆腐が吸って、味わい深い一品でした。
こちらもとっても、本当にとっても美味しかったのですが、なんとまだ先があるのです……………
~鯛&鯖:3段活用カレーラーメン~
その翌日。ホクホク顔で「カレーラーメン作ったで」と、お昼のまかない。
といってもサクッと、いつも通り15分で調理された「逸品」をご紹介して今回のクライマックスにしたいと思います。
【3種の出汁で作ったカレーラーメン】
①大根→鯛を漬けた、白味噌・酒粕・塩糀の漬け汁
②鯖の生姜煮→わかめと豆腐の煮物→その残り煮汁
③熟成進んで少し酸っぱさが出てきた水キムチの漬け汁
玉ねぎと白ネギを炒めて、そこに①②③を加え、カレーパウダーを加えてカレースープに。ゆであがった中華麺にぶっかけるとカレーラーメンのできあがり!
「今までで最高のできちゃう?!」
と2人で大喜びした(私は食べただけですが……)カレーラーメンになりました。出汁にお魚たっぷりですが、ラーメンの具材はお野菜ばかり。
正直、水キムチももう何回も仕込まれていますが、一度として同じ味のものはありません。
具材も調味料もスパイスも、あるもので、その時の気分で変わります。
「その時の気分!」
その気分は………よつ葉さんから届くお野菜との相談。お野菜を生でまずひと口味見して、それから味付けを決められます。同じ人参でも、根本と先の方では味付けが変わります。
「根本と先っちょでは味が違うからな」ですって。
この野菜はこう使う、そうした決め事が院長先生にはありません。それから体調、おなかとの相談。それから気持ちとの相談も。
決まっていることなんて、何もないですね(笑)
『院長先生の料理は3段活用!?』なんてタイトルをつけましたけれど、相互作用の起こり方を予測するセンスが飛び抜けてらっしゃるんだろうと思う次第です。
そんなこんなでとにかく日々お料理にいそしむ院長先生。誰にも、院長先生ご本人にも(笑)再現不可な、一期一会のお料理が日々生まれてはおなかに入っていきます。
ご参考にならないかもしれませんが、ならないところから何かのエキスを抽出してもらえたら……という読み手任せのご紹介でした。
井上紙鳶

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