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わごいちの作り方④理想の場所を求めさまよう10年(前編)

わごいちが間借りしているタケコウビルは2012年に移転してきました。それまでの10年間で2カ所移転し、3度目の正直で理想とも言える場所に出会いました。

 

 はじめのビルはここから徒歩1分ほど、心斎橋筋商店街(御堂筋から一本東側の賑やかなアーケード街)に面したビルの6階でした。いまそのビルの1階にはモスバーガーが入っています。なぜそのビルに入ったかと言うと、私の師匠がそこで整体院を開業していたのですが、東京に移住することになって後を任されたのです。広さ8坪の小さな雑居ビルの一室。2001年12月も終わろうかという時の独立開業でした。

 

 とにかく急な開業でお金もなく、師匠が置いていった受付カウンターや布団などをそのまま使うという、ありあわせの殺風景な部屋でした。しかしありがたいことにそこで人気爆発!予約いっぱいの整体院となり順調な船出となりました。

 

 しかしそうなると8坪では狭すぎます。半年後には移転を決意しました。ちょっとややこしいテナントオーナーから逃げるように出たのもあり、充分吟味する時間もなく移転先を決めました。船場センタービル7号館向かいのヒグチビル4階。広さは倍の16坪になりました。

 

 ヒグチビルには結局10年近くお世話になりました。本町駅に近くて便利だったのと、家賃が安かったので。ただいくつか不便もありました。隣の部屋との壁が薄く声や物音が筒抜け。部屋に窓がなくて空気が回らない。共同トイレなのでお客さんがパジャマでトイレに行くとき少し恥ずかしい思いをする。屋上にしか洗濯機が置けない。シャワーがない(これ重要)。などなど色々と不都合が気になってきて、もういちど移転をしようと決意しました。入居から5年後くらいのことでしょうか。

 

 それからは仕事が終わったら本町界隈あちこちのテナントを見に行きました。本町から離れることは考えませんでした。大阪の玄関口、新大阪駅、大阪国際空港、関空などの中間地点で御堂筋沿線と、近郊の方にも遠方の方にも便利な場所だし、何より梅田や難波と比べると家賃が随分安いものですから。

 

 今度こそ理想の物件を見つけるぞ。3度目の正直だ。と意気込んで探し始めたのですが、そこから想像以上に苦労することになりました。(つづく)

 

 

三宅弘晃