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わごいちの作り方⑦広告宣伝の話

 

  わごいちの前身である「心斎橋たんりき」。開業当初の課題はやはり集客でした。ほぼゼロからのスタート。目立たない雑居ビル5階の一室でどうやってお客さんを集めたらいいのだろ・・・と途方に暮れるところからスタートしました。

 

 とにかくできることは何でもやろうと、知り合いに案内はがきを出し、ビルの入り口に看板を出し、ビラ配りもしました。(当時は便利なSNSなどありませんでした。)色々頑張ってはみたものの反応はほとんどなく、2,3カ月は閑古鳥が鳴いて先行きはまったく見えませんでした。

 

 活路が開いたのはフリーペーパー。知り合いに紹介されプリティという主にOLさん向けの情報チラシでしたが、そこに広告を出すとドバっと予約が殺到したのです。下腹ぽっこりを解消しますよ、というフレーズが女性たちの心に響いたのでしょうか。プリティの中でも人気の広告だったらしく、随分お得な値段で何度も掲載してもらいました。そして!!開業半年もたたないうちに予約数か月待ちの大人気整体院になったのです。私はこれを第一次バブル期と呼んでいます笑。

 まんまと味をしめて他にもいくつかのフ

リーペーパーを試しましたがプリティが圧倒的でした。(ちなみにその後ホットペッパーが出てきて、今はホットペッパービューティーというウエブサイトがメジャーです)

 

 このように開業当初の閑古鳥状態を思うと、予約数か月待ちというのは夢のような状態で、殺到する人たちを相手に思う存分に腕をふるい、技を磨く日々を過ごしました。やはり整体師は仕事をしながら成長していくものですから、はじめから忙しいというこの状況は随分私を鍛えてくれたと今でも思います。

 

 しかし忙しく過ごす中で、だんだんと「これはちがうな」という気持ちが湧いてきました。この人気は私の力ではなく宣伝広告の力であると。本来ならばそんなものに頼らないで人が集まるようにならなくてはと思うようになりました。

 

 またお金もかかるんです。いくら抑えても月に数万~十数万円。これは結局自分の生活を削るか、施術代に上乗せするしかない。お客さんと自分の幸福を最大化するには、余計な経費はかけない経営を目指さなくてはならない。そう思うようになっていきました。そして決心したのです。宣伝広告にお金を使うのははじめの1年間だけ。その後は一切使わない。実力だけでお客さんを集められるようになろう、30歳の三宅はそう心に決めたのです。

 

 

三宅弘晃