2007年は初出版、徒弟制、屋号変更と節目の年でしたが、もう一つ大きな変化がありました。それは食事療法への取り組みがはじまったのです。
それまで私は食事指導をみなさんに行ったことはありませんでした。おなかの整体をしているのに食事に関しては無関与状態だったわけで、今のわごいちを知る皆さんには意外に感じられると思います。
なぜ食事指導をしなかったのか。ひとつは、食事療法に頼らずまず技術をとことん磨きたかったのですね。できれば整体だけで改善したい。「整体だけ」の限界を確認した上で食事指導を加えようと考えていました。安易にサプリに頼るような整体師にはなりたくなかったのです。
もう一つは、「生兵法は怪我の元」と考えていたからです。世の中には「自称」食の専門家が沢山います。そのほとんどの方が、ネットや本やセミナーなどで「専門知識」を仕入れます。でも食養生は本当はとても難しいのです。ほうれん草がプラスに働く人もいればマイナスに働く人もいる。水を飲む方が良い人もいれば、胃の負担になる人もいる。そういうことを分かっていないで「これを食べなさい」とおしつけ指導をする。あるいは「私にはとても良かったからこれが正解」と決めつける。そういう専門家の指導でかえって苦しんでいる人沢山います。
わごいちはプロですから、どんな人にも対応できる、その人その人の体質、内臓の状態にあわせた食事指導を提供しないといけません。それが施術とリンクしていなくてはなりません。また言いっぱなしではなく、効果のほどを見極めるのも大事です。そう考えて、食事指導を始めるまでには慎重に時間をかけて研究を積み上げていきました。
わごいちの食事研究は徹底的に「人体実験」です。まずスタッフ自身で人体実験を重ねます。玄米もそうです。油や砂糖への向き合いもそうです。これを摂ると内臓がどうなるか、を一つ一つ自分の身体で確認していきます。少なくとも数か月~数年くらい検証をします。そのなかでこれは効果があるなと思ったら、次に家族で試し、さらに効果や安全性を確認できてようやく皆さんへの指導になります。徐々に少しずつ、「この人にはこれが合うだろう」「こういう体質にはこうじゃないか」と想定し、実践してもらい、おなかに触れて効果のほどを確認していきます。とにかくおなかに訊いて確かめる。こういう形で食事研究をしているところはあまり他にないでしょう。内臓の状態を感じ取れるわごいちならではの取り組みだと思います。
2008年ごろから、徐々にこれは確かだと思える食事指導を始めました。とにかく「専門知識」を鵜呑みにしない。触れて感じて「こうじゃないか」とその人の体質や生活にあう指導内容を考える。次の施術の時に効果のほどを確認する。全てはおなかが答えてくれます。何を食べたか、それがその人に合っているかがおなかに書いてあります。ごまかしがきかなくて皆さん大変です笑。(つづく)
三宅弘晃

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